RNNはその名の示す通り、人道援助活動等を行う宗教NGOのネットワークです。1996年11月に発足し、現在12の宗派・教団に所属する有志から構成され、その宗派・教団の枠を超えて国内外における人道援助活動を展開しつつ、慰霊・復興や世界平和を祈るつどい、宗教の正しい理解を広めるためのフォーラム等を行ってきました。
1996年2月に発生した中国雲南省大震災に際して、AMDAの要請を受けた岡山県内の宗教関係者が、寺院・教会など宗派・教団を超えて支援物資の調達や、岡山空港でのチャーター機への積載作業を共に行いました。同年11月、AMDAもその構成団体である「国際貢献トピア岡山構想を推進する会」(通称「トピアの会」)主催による「第3回 おかやま国際貢献NGOサミット」が「宗教」をテーマに開催され、主要会議の「人道援助宗教NGO会議」(1996年11月24日)において雲南省大震災の被災者救援に関わった宗教関係者を構成メンバーとするRNNが正式に設立されました。以降、正副委員長と事務局長を選出して毎月定例会議を開き、そこで全ての活動の企画などを協議して実行してきました 。
RNNの設立母体であった「トピアの会」は、医療、教育、宗教、環境、社会福祉といったヒューマニズムを尊重する岡山の県民性を基盤に、国際貢献と地域活性化を目指すことを活動理念とした民間団体でした(1994年設立、2004年発展的解散)。すなわち、RNNは宗教関係者に限定された活動団体ではないという特徴を設立当初から有しており、宗教以外の民間ボランティア組織(NGO・NPO)との連携も保ちながら活動を展開する一方、RNNの海外メンバーやその関係者を通じての独自ルートによる人道援助活動を行ってきました。この他にも、海外メンバーを訪ねて現地視察や交流を行う「RNNスタディーツアー」、ネットワークを通じて得た現地の状況を正しく伝える「RNNボランティア講座」、宗教の正しい理解を啓発するための公開シンポジウム「RNNフォーラム」、さらに被災地に赴いて慰霊・復興や世界平和を祈る活動等を実施してきました。
とりわけ、岡山空襲60年目の日であった2005年6月29日に慰霊・鎮魂・平和を祈って開催した「RNNヒーリングコンサート」以来、複数の構成メンバーによる“癒しと祈りの和奏会”を折に触れて行っています(2010年11月までに7回実施)。
なお、RNNには明文化された規約や規則、そして会費がありません。その活動は、構成メンバーが各自の所属団体や組織の活動に負担を掛けることなく、相互の事情・活動を尊重して、参加できるメンバー団体・有志が自発的に関わって、自らの発言と行動に責任を持って、参加者全員の合意の上で活動を行うという方針が貫かれています。
RNNでは、震災直後の3月13日から4月12日までAMDA支援の街頭募金を展開する一方、メンバーの一人である真言宗長泉寺の宮本龍門住職がAMDAスタッフとして3月17日から10日間にわたって被災地(岩手県釜石市と大槌町)に入りました。救援活動をサポートするとともに、津波による被災を奇跡的に免れた曹洞宗寺院の法要に参列して岡山のメンバーと時刻を併せて祈りを捧げ、それが縁で同寺院住職から依頼を受けて、複数の遺体安置所で読経して物故者の冥福を祈りました。
そして、3.11から50日目の4月29日、有志による「RNN慰霊祭」を執行しました。黒住教神道山の日拝所において、現地報告と黙祷、そして真言宗・金光教・カトリック・天台宗・黒住教による祈りが、順次厳かに捧げられました。同じ頃、メンバーの日蓮宗僧侶が宮城県石巻市の鹿島御児神社で、宮司と金光教の教会長とともに慰霊祭をつとめました。
翌2012年からは毎年3月11日に神道山の黒住教日拝所において「東日本大震災RNN慰霊祭」を執り行ない、2023年3月20日現在で、AMDAに寄託した募金と寄付金の総額は5,564,198円となっています。
《JDC-ICCD Buncher Interfaith/intercultural Conference on Humanitarian Relief》
《宗旨・宗派を超え、人道援助で世界をつなぐ》